私たちは木工のスペシャリストであり、店舗づくりのスペシャリストでもあります。河嶋工芸の店舗づくりを支える根幹は木工であり、つまりは職人の高い技術力に集約されるのです。
製作する什器やオリジナル家具など、私たちのつくる製品は、「この世で他にない」1点ものが非常に多いため、自社工場で確かな腕を持つ職人たちが一から最後まで創作。その環境と人が整っていることが本当に大きいと実感しています。この環境だからこそ、やる気のある人間はスキルを上げ続けられるのです。
人材を育成する側から「仕事はこうしなければいけない」とは絶対に言いません。どちらかといえば「まだできないかもしれないけれど、とりあえずやってみよう」と促します。そして細かな部分に関しては「叱られることも糧にして覚えていこう」というスタンスです。
上司の顔色を伺う必要は一切ありません。大切なのは、仕事ができるのは「お客様がいてくれるから」の意識。「お客様にとってどうあるべきか」だけを考えてやっていけば何一つ問題は生じない、というのが河嶋工芸の人材育成に関する考えです。
河嶋工芸という会社組織は、社員たち全員が活躍するための箱であり、ただ単にお金を稼ぐためのツールに過ぎません。だから社長や上司が偉い訳ではなく皆が主役。一人ひとりの自主性も尊重されているし、意見交換も自由な会社です。適材適所で少数精鋭が活躍しています。
長期に及ぶ案件であれば体力のある大企業が有利でしょうが、私たちの仕事は、長くても1ヶ月程度の短期集中の現場がほとんど。この短期の仕事であれば少数精鋭の力で充分に戦えると確信しています。
河嶋工芸では、入社した新人を早い段階から現場に送り込みます。一昔前のこの業界では、「これができなければダメ」、「現場に行くのはあれができるようになってから」と、なかなか現場に出さないケースも多くありました。
ですが、個々によって「こっちが不得意でも、あっちは得意という場合があります。できない人間を現場に出さなかったら、ずっとその場所で足踏みしたまま。得意な部分で能力を発揮しながら、仕事は総合的に取り組んでもらい、全体的に成長してもらうのが私たちのやり方です。ですから、若い子は入社して3年目ぐらいから充分な戦力として活躍しています。